看護師は医療現場の最前線において患者を支えるやりがいのある仕事ですが、医療の現場では慢性的に人手不足となっているのが実情です。
厚生労働省が公表しているデータによると、2014年の看護師の求人数が約140万人であったのに対し、求職者数は約50万人に留まっていることからもその傾向は見て取れるでしょう。
人手不足の原因は一つだけではありませんが、まず第一に言えるのは、高齢化が進む中で医療の支援を必要としている高齢者の人数が増加しているということです。
一方で、看護の担い手となる若者の人数は減少傾向にあり、それが人手不足に拍車をかけていると言えるでしょう。
さらに第二に、医療技術は急激に進化・高度化しているため、産休や育休などによるブランクのある看護師が復帰する際のハードルが高くなっているという点も原因として考えられます。
そのため、休職者が復帰しやすいように、改めて看護スキルを学べるような環境を整えるのも、医療機関に対応が求められる課題であると言えるでしょう。
さらに、働き方改革が浸透してきた社会では、夜間に勤務する看護師の仕事は敬遠される傾向にあります。
子育て中の方にとって、夜間も働くというのはなかなか難しいケースが多いため、そういった人々が柔軟に働けるような環境を用意するのも人手不足の解消に向けた有効な手段となるでしょう。
実際にそのような取り組みを進めている医療機関も増えており、今後もそのような取り組みが期待されています。